価値の目標
一文でいうと
自社が顧客に届けたい価値について、達成すべき状態を数値や具体像で定義した目標。
詳しく
基本的な意味
価値の目標とは、自社が顧客に届けたい価値について、いつまでにどのレベルまで到達するかを数値や具体的な状態像で定義したものだ。売上高や顧客数といった業績目標とは軸が異なり、「価値がどう届いているか」に焦点を当てる点が特徴になる。「誰に、どんな価値を、どのレベルで届けるか」を言語化する作業が起点となり、この定義がなければ後続の施策すべてが場当たり的になりやすい。
なぜ重要か
業績目標だけを追うと、短期的な数字は達成できても、ブランドが顧客にどう受け止められているかが見えなくなる。価値の目標を設定しておくことで、施策が「らしさ」の醸成に寄与しているかを継続的に検証できる。ブランドは作って終わりではなく育て続けるものだという前提に立つと、育成の進捗を測る物差しとして価値の目標が機能する。目標がなければ、育っているかどうかを判断する基準そのものが存在しないことになる。
実務での使い方
まず提供価値を機能価値・情緒価値・自己表現価値などに分解し、それぞれについて現状と目指す状態を書き出す。次に、どの価値を優先的に伝えるかという「提供価値の重み付け」と組み合わせ、達成度を測る指標を決める。ブランド活動のKPI設計はこの目標設定から始まることが多く、目標が曖昧なまま指標だけを先に決めると、測っている数字が本当に価値の実現度を表しているか怪しくなる。
中小企業での実践
リソースが限られる中小企業では、価値の目標を欲張らず一つか二つに絞ることが有効だ。ブランドの構成要素すべてを一度に数値化しようとすると運用が破綻するため、最も伝えたい価値を一つ選び、半年から一年単位で見直すサイクルを作るとよい。経営者自身が定期的に進捗を確認できる粒度に保つことも継続の鍵になる。